ネット風評被害対策を講じて信用の失墜リスクを回避しよう

風評とは、いわれもない事実や正しくないことを撒き散らされることです。
風評が拡散することで、多くの人が疑いの目を持ったり、嫌悪感や不快感を抱いたり、不安になり、その人に対するイメージが悪くなったり、店舗や企業などが信用を失うことにつながります。

 

インターネットの普及など情報社会が進展する以前の時代、たとえばテレビや新聞や雑誌など活字媒体がメインの時代であれば、一時的に風評被害が広がっても、部分的な影響に留まる場合や時が経てば収まりました。

 

「人の噂も75日」と言われるように、2～3ヶ月も経てば誰も関心がなくなると言われたものです。
テレビ放送は瞬間的なものであり、紙媒体は手に取る人だけが読むものでしたが、今の時代は違います。
企業が運営しているメディアだけでなく、個人でも簡単に情報を流すことができます。
さらに、あっという間に世界中へと拡散することが可能です。

 

テレビの映像も、動画で配信され続けたり、新聞や雑誌の記事もインターネット上で配信されたり、記事の画像が掲載され続けることになります。
そのため、いつまでも風評が残り続けることが少なくありません。
個人であれば、仕事がなくなることや人が寄りつかなくなります。

 

お店や企業であれば、客数が減ることや売上が減るなどし、経営にも大きな影響を与えるので注意が必要です。
こうした甚大な被害を防ぐために、どのような対策をすべきか見ていきましょう。

 

継続的なモニタリング

週刊誌のネット記事をはじめ、レビューサイトやSNSなどの投稿に、個人や店舗、企業など自分や自社に関する記事や投稿が出ていないか継続的にチェックすることが欠かせません。
いわゆる炎上が起こる前に、早めに芽を摘み取ることが必要なので、事実誤認の投稿や誹謗中傷、嘘偽りの情報や根拠のない噂などが出ていないかモニタリングしましょう。
発見したら、事実ではないことを表明することや削除依頼をするなど、速やかな対応が採れます。
早期発見、早期対処が不可欠です。

 

もっとも、膨大な情報を逐一チェックしていては、時間も労力もかかり、企業などの場合は人件費を費やしてしまいます。
そのため、自動的に随時エゴサーチや情報のチェックをしてくれるモニタリングツールなどの導入がおすすめです。

 

危機管理体制の構築

ネット風評被害が発生した際に、スピーディーかつ適切な対応ができるよう、危機管理体制を構築しておきましょう。
風評被害はあっという間に拡散していく時代ですので、いかに迅速に対応するのかがカギを握ります。
いかにスピーディーに対応しても、その対応が適切でないと、さらに炎上してしまいかねません。
どのような対応をすべきなのか、個人であればその地位や立場を踏まえ、企業や店舗であれば業種や業態、規模を踏まえて検討しておきましょう。
誰がどのような対応をすべきなのか、どのような表現が適切なのかを考える必要があります。

 

自分たちだけでは構築が難しいことも多いので、顧問弁護士に相談することやネット関連の風評被害対策に詳しいコンサルタントなどに相談し、しっかりした危機管理を行うことが大切です。

 

風評による売上減少、最悪の場合、閉店などのリスクがあることを考えれば、専門家に相談する費用なども高くはありません。

 

危機管理体制が構築できたら、絵に描いた餅にせず、社内でしっかりと理解を深め、担当者などの選定を行ったうえで、リスクが現実化した際のシミュレーションを行うなど、すぐに対応できるようにしておくことが大切です。

 

社内ルールの構築と啓蒙や教育

風評被害の源やキッカケとなるのが、従業員の行動や公式ブログサイトやSNSでの投稿であることも少なくありません。
そのため、社内ルールを構築するとともに、従業員に対する啓蒙活動や教育も行うことが大切です。

 

従業員が職場で不適切な動画や画像を撮影して投稿する悪気があるケースはもちろんですが、悪気がなかったとしても、表現内容が差別的な内容と指摘されることや一部の人に不快感を与えることで、思わぬ炎上が起こることもあります。

 

公式サイトやSNSの公式アカウントでの情報発信で細やかな配慮をするのはもちろんですが、従業員個人のSNSで職場内の情報や画像、動画などを軽率に投稿しないようにルールを整備し、教育を行いましょう。

 

どのような発言が不適切と言われるのかを事例を挙げてわかりやすく説明することや不快感を訴えるコメントやクレームが入った際の応対法などをマニュアル化しておくのも一つの方法です。

 

インターネットを通じて、スピーディーかつ広範囲に情報が広がっていく時代にあって、風評が拡散すると甚大な被害が生じかねません。
ツールを導入しての継続的なモニタリングやコンサルタントなどに相談しての危機管理体制の構築、社内ルールの整備や従業員教育を徹底しましょう。

インターネットが普及した現代において、ネット風評被害は企業や個人にとって避けて通れないリスクの一つとなっています。

 

事実に基づかない誹謗中傷や悪評が一度ネット上に流れてしまうと、拡散力の強さゆえに短期間で多くの人の目に触れ、大きなダメージを受けることがあります。

 

ではネット風評被害に遭った場合、それを消すことは本当に可能なのでしょうか。今回はネット風評被害の現実と、消すための方法について詳しく説明します。

 

まず、ネット風評被害の現実について触れます。
ひとたび悪評が広まると、検索エンジンの結果に「〇〇ブラック」などネガティブなキーワードが関連付けられ、本人や企業に対する信用が著しく低下することがあります。

 

これにより、新たな顧客獲得が困難になったり、既存の取引先との関係が悪化したりするなど、経済的損失が生じるケースも珍しくありません。

 

また、個人であっても、就職活動や婚活など、人生の重要な場面に影響を及ぼすこともあるため、風評被害は決して無視できない問題です。

 

さらに、インターネット上の情報は半永久的に残り続ける特性があります。
一度公開された情報が第三者の手によって拡散されれば、それを完全に消去するのは容易ではありません。特に掲示板、SNS、口コミサイトやブログなど複数の媒体に転載された場合、被害は広範囲に及び、対応も複雑化してしまいます。

 

では、こうしたネット風評被害を「消す」ことは可能なのでしょうか。
結論から言えば完全な消去は難しい場合があるものの目立たなくする、または大幅に影響を抑えることは可能です。具体的には、次のような方法があります。

 

まず、風評記事や誹謗中傷の投稿に対しては、依頼を行う方法が基本となるのです。
サイト運営者やプラットフォームには、名誉毀損やプライバシー侵害に基づく削除申請をすることができ、多くのケースで正当な理由があれば対応してもらえます。

 

ただし削除依頼が受理されるかどうかは投稿内容の違法性やサイト側の基準によるため、必ずしも削除が約束されるわけではありません。

 

風評被害を直接消せない場合でも、逆SEO対策によってネガティブ情報を目立たなくさせる手段があります。
これは、自社の公式サイトやブログ、SNSなどでポジティブな情報を積極的に発信し、検索順位を押し上げることによって、悪評を検索結果の下位に追いやる方法です。

 

特に、Googleは良質なコンテンツを評価するため、E-E-A-Tを意識したサイト運営が効果的です。
さらに、状況が深刻な場合には、法的措置を取る選択肢もあります。
発信者情報開示請求によって、匿名の投稿者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うことが可能です。
特に悪質な誹謗中傷や名誉毀損に対しては、毅然とした態度で対応することが、再発防止にもつながります。

 

ただし、これらすべての対策には時間と費用がかかるため、事前に専門家へ相談し、現実的な対応プランを立てることが重要です。
弁護士やネットリスク対策会社に依頼すれば、状況に応じた最適な方法を提案してもらえるだけでなく、精神的な負担も大きく軽減されるでしょう。

 

まとめると、ネット風評被害を完全に消すことは難しい場合もありますが目立たなくする、影響を最小限に抑えることは十分可能です。
重要なのは被害を放置せず、冷静かつ迅速に対策を講じることです。
そして単に情報を削除するだけでなく、企業や個人としての信頼を積み重ねる努力を並行して行うことが、長い目で見て最大の防御策となります。

 

ネットの風評被害や誹謗中傷問題に直面したとき、弁護士に相談することは非常に有効な手段です。
しかし、弁護士に依頼する際にはいくつかの注意点を押さえておく必要があります。
ここでは、弁護士に相談する際のポイントについてご説明いたします。
まず、インターネット問題に強い弁護士を選ぶことが重要です。
弁護士にも得意分野があり、ネット問題に不慣れな弁護士に依頼してしまうと、適切な対応が遅れたり、期待した結果が得られなかったりする恐れがあります。
過去の実績や、ネット誹謗中傷案件に関する取り扱い件数などを事前に確認することをおすすめします。

 

次に、費用体系をしっかり確認することも大切です。
弁護士費用には相談料、着手金、成功報酬や実費などがかかる場合があり依頼する内容によっては高額になることもあります。

 

契約前に費用の内訳や、成功報酬の条件などを明確にしておきましょう。
後になって想定外の費用が発生しないよう、書面で取り決めておくと安心です。
対応スピードと報告頻度にも注意しましょう。
ネット上の情報拡散は非常に速いため、迅速な対応が求められます。
相談時には、どのくらいのスピード感で動いてもらえるのか、進捗報告はどれくらいの頻度で行ってもらえるのかを確認しておきましょう。
こまめに連絡を取り合える弁護士であれば、安心して任せることができます。